まる味屋珈琲店 代表取締役

一美 洋二郎

創業が1950(昭和25)年の珈琲卸店、
小売店「まる味屋珈琲店」のオーナー。
全日本コーヒー検定委員会認定
1級コーヒーインストラクターの資格持つ。





 一美洋二郎さんは、父親が創業した「まる味屋珈琲店」の2代目オーナー。「生まれた時から、常に傍らにはコーヒーの香りがありました」。創業当初は喫茶店へのコーヒー豆の焙煎・卸を専門に行っていたものの、時代の流れの中で一般家庭向けのコーヒー豆販売や、カフェも手がけるようになったといいます。
 現在、カフェの主力商品は「水出し珈琲」。専用の器具にコーヒー豆と南阿蘇の水を入れ、一滴一滴ゆっくりと抽出する、オランダ式のコーヒー(ダッチコーヒー)です。高圧と高温にすることで、苦みの強い独特な味わいを出すエスプレッソとは真逆の抽出法で「苦みがなく、まろやかな味になります」と一美さん。ダッチコーヒーは一般的に温めて出すのが一般的ですが、温めることなくそのまま提供するのが”まる味屋式“。「熱を加えないことで、コーヒーの風味が引き出されます。だからこそ、水が味の決め手になりますね」







 南阿蘇の水で水出し珈琲を淹れ出したのは、カフェを出した5年前でした。「せっかくなら熊本の水を使いたい」と、名水で知られる南阿蘇の水を試してみた一美さん。「飲んでみると、まろやかな苦みがすっきり口にほどけるような、岩清水を連想するような「のどごし」でした。加えて南阿蘇の水は雑菌がほとんどなく、非加熱で使えるというのも大きな魅力でした」。以来、水出し珈琲を南阿蘇の水で淹れ続けていると話します。
 ぽたり、ぽたりとゆっくり一滴ずつ抽出する水出し珈琲。3リットルの容器いっぱいになるには6時間かかります。カフェを訪れる人の心を癒やす「時を刻む」コーヒー。一美さんの深いこだわりが感じられる、深い味わいです。




 一美さんにとって、カフェと小売りが一緒になった今の店は「7割くらい夢が叶った」状態なのだそう。では10割の夢は? と尋ねると「南阿蘇の大自然の中にあるような、小さなお店」という答えが返ってきました。「引退した職人が出す、小さな店が集まった村のようなイメージ。パン職人やケーキ職人、豆腐職人がいて、作り方を教え合ったり、遊びにきた人に販売したり。そしていつか、こういう“スローライフの村づくり”のビジネスモデルが、全国にムーブメントとして広がればいい。そんな暮らしが南阿蘇で始められたら最高ですね」。輝く瞳で一美さんは語ってくれました。




コーヒー味覚発見処 まる味屋珈琲店 本店

熊本市南区合志4-2-3
0120-038-254
http://marumiya-coffee.com/

世界中の産地の豆を厳選、持ち味を生かすようにていねいに焙煎した珈琲豆を販売しています。カフェでは、水出し珈琲に凍らせた泡を載せた「黒ビール風 水出し珈琲」が人気です。






                   
           
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