メルシャン株式会社 八代工場

総務部 清水 庸輔
製造部 永江 朋紀

メルシャン内で本格焼酎を製造するブランド
「八代不知火蔵」で、広報、製造に関わる。
「白川水源の水を割水とした『白水』のおいしさが
もっと広がってほしい」と意欲を語る。





 メルシャン八代工場で本格焼酎「白水」づくりに携わる清水庸輔さんと永江朋紀さん。  焼酎は、仕込み水と原料(米、麦など)を発酵させ原酒を作り、それに「割水(わりみず)」と呼ばれる水を入れ希釈して製品化します。「焼酎全体の4割が割水。この水の質が、味の微妙な違いを出してくれます」と清水さん。「不思議なのは、飲んで『おいしい』と感じる水でも、割水にすると焼酎に苦みや渋みが出ることがあるんです。大事なのは水自体が持つバランスと、原酒との相性といえますね」
 白水シリーズで使われているのは白川水源の水です。永江さんは、名水で知られる各地の水を割水として試したことがあるそう。しかし「白川水源の水を超えるものはありませんでした。ほどよい硬度、ほどよいミネラル分。いわば『神バランス』といっていい、焼酎にはぴったりの水なんです」。







 割水にぴったりの白川水源の水。しかしながらメルシャン八代工場と白川水源は80km以上の隔たりがあります。「白水を作り始めた27年前、『白川水源の水を汲んできて作ろう』という企画を実行できたのは、今思うとすごいこと」と永江さんは笑います。「多大なコストをかけても割水にしたいと思う品質だったからこそでしょうね」。
 白水シリーズの製造を行う日は、毎回白川水源の水をタンクローリーに載せ工場まで運びます。「10時の始業に間に合うよう朝5時に八代を出発。汲んできたその日に使い切るため、製造日は必ず汲みにいきます」。翌日以降に使うよう汲み置いておいたり、別の水を使ったりすればコストは下がります。「しかし焼酎の質を保つためにそれはしません。大雪で道が凍っていて汲みにいけない日は、作業は中止します」と清水さん。




 白川水源の水を割水として使う理由はもう一つあります。それは毎分60トンの湧出量。「神バランスの水の質もさることながら、商業ベースの製造に耐えうる量が、白川水源なら実現できます」と清水さんは話します。
 仮にも湧水量が減ってしまえば、焼酎づくりはできなくなります。「水質と湧水量を保つために、私たちもできる形で南阿蘇に協力していきたいと考えています」。環境整備協力金を通して管理を支えるほか、キリングループ企業全体で南阿蘇のボランティア活動にも取り組みます。「南阿蘇の水は、腹の底から自身を持って勧めたい、将来的に残していきたい水。今後とも企業として、一個人として、南阿蘇の水を守る手助けをしていきたい」。そこには、作り手であるとともに、南阿蘇の水を愛する人としての姿がありました。






                   
           
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