山村酒造合名会社 社長

山村 唯夫

1762(宝暦12)年に創業した山村酒造の13代目。
1860(蔓延元年)に建てられた酒造で、
日本酒づくりに勤しむ。





山村酒造は、南阿蘇村の隣、大分県と宮崎県に接する高森町に位置します。「阿蘇は、大分県や宮崎県ともつながりが深い」と話すのは社長の山村唯夫さんです。「もともと山村酒造の酒造りも、冬の農閑期に出稼ぎにこられていた大分の農業従事者に支えられていました。
人や物の関わりによって、文化が混ざりあっていた土地です。」元来、熊本県は九州内6県と接していることから、九州各地の文化が融合し独自に発達していった、和の土地であると山村さん。「阿蘇山の噴火物が福岡から鹿児島まで届き、九州の形ができました。阿蘇外輪山に降った雨は、それぞれの峰を降りて熊本、大分、宮崎へと流れていきます。九州はいわば「阿蘇アイランド」と言っても過言ではありません。」阿蘇という土地が九州の中心、文化の融合点であることに誇りを持っていることがうかがえます。







山村酒造は、この地で260年にわたって酒造りを続けてきました。日本酒は、米と麹菌が原料。蒸した米に麹菌を混ぜ、その発酵により酒が生まれます。
「米を蒸すための水は、阿蘇外輪山の水をそのまま引き入れた「阿蘇の源流水」。しかも主なる原料の米も、そのほとんどが阿蘇産のものです。その米は、もちろん南阿蘇の水が育ててくれています。南阿蘇から生まれた水が、酒の旨みを引き出してくれていると山村さんは話します。




阿蘇の地下水は、複雑につながっています。「白川水源から湧き出る水は、5.0 km程上流の根子岳に降った雨が始まりではないかと思っています。この雨がじわりじわりと時間をかけて浸透し、一気に湧き出るのが南阿蘇なんじゃないでしょうか。」山村さんは、だからこそ南阿蘇の水は、阿蘇全体の財産であると強調します。「永年阿蘇の人の食を支え、生活を支えてきた南阿蘇の水。これからも阿蘇に住む者として、しかもその恩恵を受ける企業として守っていかなければならないと思っています」。山村さんは力強く展望を語ってくれました。




山村酒造合名会社

熊本県阿蘇郡高森町高森1645
0967-62-0001
http://shop.reizan.com/html/company.html

阿蘇五岳のひとつ根子岳の南側に位置。阿蘇の酷寒の冬、阿蘇の米、阿蘇の水、阿蘇の人が生み出す”阿蘇の酒”「れいざん」を製造販売。蔵横には売店もあり、限定商品も手に入ります。






                   
           
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